米GE、日本で金属3Dプリンター販売 世界最大の設備など投入

 米GE(ゼネラル・エレクトリック)社は14日、日本において金属プリンティング(アディティブ・マニュファクチャリング)事業を6月から本格始動すると発表した。世界最大級の金属3Dプリンター「X LINE 2000R」をはじめとする各種金属3Dプリンターを販売する。金属3Dプリンターの導入を加速するため、コンサルティングサービス「AddWorksTM」を始める。日本国内の航空宇宙や自動車分野での採用拡大を目指す。

 「アディティブ・マニュファクチャリング」は、積層造形や3Dプリンティングともいわれ、従来製法では製造が困難だった自由形状の製造が可能な工法。新製品の商品化を加速させることができるほかコスト削減、パフォーマンスの向上、CO2排出削減などで期待が集まっている。

 GEアディティブの金属3Dプリンターは航空宇宙、自動車、防衛、エネルギーなど幅広い業種で活用されており、特に大型パーツの需要に対応するための大型金属3Dプリンターが充実している。このほど国内で販売する「X LINE 2000R」は、現在市販されている製品の中で世界最大サイズのDMLM造形装置であり、大型のコンポーネントの量産にも対応した装置として知られている。またエンドユーザーとしての実績をベースに開発されたコンサルティングサービス「AddWorksTM」は企業のアディティブの導入、戦略的なパーツの選択から設計試作、さらには量産まで支援するもので、各企業独自のアディティブの立ち上げ加速につながるとしている。

 世界の3Dプリンティング市場(3Dプリンター、素材、ソフトウェアやサービスを含む全体)は過去4年間で約130億ドル規模の投資が実施され、さらに今後10年で2800億ドル以上にまで拡大すると見込まれている。またGEが世界各国の経営幹部約2100人を対象に行った意識調査「2018GEグローバル・イノベーション・バロメーター」では、企業の経営層が3Dプリンティングの可能性を肯定的に捉えていることが示されている。

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