【MLB】ハーパー、打率.212でもオフに400億円超プレーヤーに!? “不振”の理由とは…

ナショナルズのブライス・ハーパー【写真:Getty Images】

米メディアが分析記事「400億超の野球選手が打率.217ではいけない」

 ナショナルズのブライス・ハーパー外野手は、今オフに初めてフリーエージェント(FA)となる。資金力のある球団の大争奪戦となることは確実。史上初の年俸総額4億ドル(約442億円)プレーヤーになる可能性が高いと見られているが、今季はリーグトップの19本塁打を放ちながら、打率は.217と低迷している。いったい“不振“の原因は何なのか。米メディアが探っている。

 若きスーパースターについて特集を組んだのはESPN。17日(日本時間18日)のブルージェイズ戦も5打数無安打に終わったことを受け、分析記事を掲載した。

 ここまでの成績について「彼の現在の成績は打率.217、出塁率.355、長打率.479。wOBAは規定打席到達打者159選手の中で53位となっている。本塁打は19本を記録しており(リーグ)トップ。四球はマイク・トラウトに次いで(メジャー)2位だ。また、98得点、102打点のペースである」としつつ、「とはいえ、4億ドルの野球選手が打率.217ではいけない」と指摘している。今年10月の誕生を迎えてもまだ26歳という若さ、そして、これまでに証明してきた圧倒的な能力を考えれば価値が簡単に落ちるとは考えづらいが、影響がないとも言い切れない。

 記事では、ハーパーが今季最初の17試合で打率.315、8本塁打をマークしながら、その後は打率.188、出塁率.308、長打率.392と苦しんでいることを紹介。そして、「ゴロに悩まされている」としている。どういうことか。

「投手は2か月前よりも、ハーパーを恐れなくなっている」

 挙げられているのが、ゴロ打球の打率。2015年は.257、16年は.213、17年は.359であったが、今季は.171にとどまっていると指摘。昨年の数字は格段に高いが、今季は低すぎる。ゴロ打率が下がっている理由として考えられるのが、相手が敷く守備シフトだという。ハーパーに対して、相手チームは全体的に右に寄るシフトを取るが、右方向へのゴロが増えているため、その“網”にかかってしまっているというのだ。

 記事によると、ハーパーへの右方向へのゴロは2015年が54.6%、16年が51.1%、17年が48.1%、18年が72.9%と今季は大幅に増加。しかも、今季は左方向への打球は4.3%しかないという。こういったデータから、ESPNは「彼はゴロを打とうとしているのではない。本塁打を打とうとしているのだ」と指摘。打球が上がればいい数字が出るとしている。

 ただ、気がかりなのが四球率の低下。特集では、4月までの四球率が29.0%だったのに対して、5月1日以降は7.7%に落ちていると指摘。そして、「彼が不振に陥ると、投手はストライクをより多く投げるようになった。(4月は38.8%。6月はここまで46%以上)。これは大きな問題である。投手は2か月前よりも、ハーパーを恐れなくなっている」と結論づけている。ハーパーが成績を落としていることが、悪循環に陥っているとも言えそうだ。

 もっとも、まだ6月。ハーパーが本来の姿を取り戻す可能性は十分にある。4億ドルプレーヤーにふさわしい成績を残し、本当にその額を手にすることになるのか。スーパースターのバットに注目が集まる。

(Full-Count編集部)

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