電線総合技術センター、鉄道用材料の試験事業強化 新設備導入で期間短縮

 電線総合技術センター(JECTEC、浜松市北区)は鉄道用材料の試験事業を強化する。延焼などに関する新たな試験装置を導入。2018年度内をめどに、欧州の鉄道車両用防火規格に関する電線周辺の樹脂材料の試験をワンストップで行える体制を整える。これまでは一部の試験を欧州の機関に外注していたが、自前での試験に切り替えることで期間を短縮できる。

 今回体制を強化する欧州鉄道車両用防火規格(EN45545―2)に関しては、電線周りの樹脂材料について現段階で燃焼時の煙濃度・毒性、発熱に関する試験は実施できる。今年度に約3千万円を投じて火炎伝播試験装置を導入。新たにニーズが多い延焼試験も自前で行えるようになる。自前試験への切り替えで欧州へのサンプル輸送などでかかっていた時間を短縮できるため、対応力がさらに高まる。併せて約300万円で材料の耐着火性や自己消火性を確かめるグローワイヤー試験装置も18年度内をめどに新設する。

 田辺信夫センター長は「新規設備で再現性の高いデータを収集していきたい」と期待している。

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