「つなごう友情のバトン」 佐世保初のキッズゲルニカ 一緒に平和を考えよう 大野地区の100人が描く

 佐世保市立大野児童センター(田原町)を利用する乳幼児から小学生までの子どもたち約100人が、平和の思いを込めた「キッズゲルニカ」を作った。8月4~31日まで長崎市の爆心地公園内にある下の川斜面に展示をする。
 キッズゲルニカは、スペインの画家、パブロ・ピカソがスペイン内戦中の無差別爆撃を描いた「ゲルニカ」と同じサイズ(縦3・5メートル、横7・8メートル)のキャンバスに、子どもたちが平和のメッセージを描く国際プロジェクト。県内では、長崎親善人形の会「瓊子の会」(山下昭子会長)が企画、指導をしている。佐世保市からは初めての参加となった。
 子どもたちが話し合って決めたテーマは「つなごう友情のバトン」。市立大野小が保管する青い目の人形「モニカ」と「長崎瓊子」が手をつなぐ姿を中心に、太陽や虹、クラゲ、イルカ、九十九島、大きな木などを描き、全ての命をつないでいこうという思いを表現した。子どもたちは絵の具だらけになりながら、和気あいあいと完成させた。
 大野小3年の福田結月さん(8)は「戦争やけんかがなくなるようにと思いながら、瓊子ちゃんの着物を塗った」とほほ笑んだ。山下会長は「米海軍基地がある佐世保で、いつか基地内の学校と日本の子どもたちとの合作を実現し、ともに平和について考えてほしい」と話した。

大野地区の子どもたちが制作したキッズゲルニカ=佐世保市立大野児童センター

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