SSABの水素還元製鉄プラント、スウェーデン政府60億円助成

 北欧の高炉メーカー、SSAB(スウェーデンスティール)は18日、5月から建設を開始した水素還元製鉄「HYBRIT」のパイロットプラントに対し、スウェーデン・エネルギー庁から5億2800万クローナ(約60億円)助成を受けると発表。

 HYBRITはSSABと鉱山会社のLKAB、電力会社のバッテンフォールによるスウェーデン3社が合弁事業で進めており、総投資額は14億クローナ(約170億円)と見込まれている。このうち政府が37%を負担する形になる。

 HYBRITはパリ協定に基づき欧州各国が取り組む二酸化炭素の排出削減プロジェクトの一つ。スウェーデン政府としても国策として推進しており、5月からスウェーデン北東のルーレオ(ノールボッテン県)でパイロットプラントを着工。2020年ごろの稼働を予定している。

 同プラントは高炉に似た竪型炉で、鉄鉱石ペレットを水素で還元し、取り出したスポンジ状の銑鉄にスクラップを混ぜ電炉で溶かす新たな製鉄プロセス。原料炭での還元や転炉工程で生じるCO2がなく、電力は風力など再生可能エネルギーの利用を計画している。

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