【MLB】元巨人のマイコラスが太鼓判「スガノなら今メジャーに来ても通用する」

“逆輸入”で大活躍するカージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:AP】

元同僚を絶賛「先発ローテ2番手、3番手でやっていける」

 元巨人で今季からカージナルスでメジャー復帰を果たしたマイルズ・マイコラス投手。今季はここまで14試合に先発し、7勝2敗、防御率2.43の活躍で、負傷離脱中のエンゼルス大谷翔平投手とともに、日本プロ野球を経由し成功した選手として、メジャーで大きな注目を集めている。

 97マイル(約156キロ)にも達する力強いストレートとスライダー、カーブ、チェンジアップを駆使しながら、メジャーの並み居る強打者を三振に斬り、凡打に打ち取る。3年ぶりの地区優勝を狙うカージナルスにとって、今やなくてはならない存在となった右腕が「もし球団が許してくれるなら」と、ある日本人投手のメジャー到来に思いを馳せた。それが、巨人で3年間同僚だった菅野智之投手だ。

「スガノは間違いなく、メジャーで通用するピッチャー。できれば、今すぐにでも来てほしいくらい。彼なら先発ローテ入りは間違いないし、エースとはいかなくても2番手、3番手ではやっていける。マウンド上での存在感もあるし、何より投球術に優れている。三振を取りたいところで取れるし、併殺に仕留めたいところでは凡打を打たせる。僕も彼のスタイルに学んだところはたくさんあるんだ。日本では押しも押されもしないエースだよ」

阪神・藤浪にもMLB挑戦勧める「環境を変えるのも1つの手」

 今季は12試合に先発して7勝4敗、防御率2.08の成績を残す菅野。奪った三振数は89なのに対し、与四球はわずか12。1回あたりの被安打数+与四球数を示すWHIPは0.92で、滅多に走者を背負わない。完投5回、完封3回というスタミナも魅力だ。2015年から3年を過ごした巨人では、エース菅野に続く存在として大活躍した右腕は「ポスティングされなければならないから球団の許可が必要だけど、もし可能ならば今メジャーで投げる姿を見たい」と話した。

 菅野以外にも「サワムラ(澤村拓一)や広島のノムラ(野村祐輔)、阪神のフジナミ(藤浪晋太郎)もメジャーで通用すると思う」と話したが、特に藤浪はメジャーに来ることを勧めたいという。

「彼がコントロールに問題があるというのは知っている。でも、投げる球の質はとても素晴らしいものだ。彼と直接話したわけではないから詳しいことは分からないけど、例えば環境を変えてみることで制球が安定する可能性もある。僕も日本に来る前は制球に苦しんだ1人だからね。環境を変えて、違った野球観に出会ってみることもまた、1つの手だと思うんだ」

 日米両球界を知るマイコラスが推す投手たちが、近い将来メジャーのマウンドに上がる日は来るのだろうか。それは、神のみぞ知る、なのかもしれない。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2