茨城大会 苦闘続いた霞ケ浦

6度目決勝、扉開く まさかの敗戦乗り越え

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藤代-霞ケ浦 9回裏藤代2死一、二塁、佐藤が右中間へ適時二塁打を放ち二走・中村がサヨナラのホームイン=2011年7月28日、水戸市民

劇的な結末だった試合の一つとして数えられるのが、2011年の第93回大会決勝・藤代6-5霞ケ浦だ。8人の監督がこの試合を挙げた。

霞ケ浦は第90回決勝で常総学院にサヨナラ負け、第92回決勝で水城に大敗。「3度目の正直」をかなえるために霞ケ浦は燃えていた。

霞ケ浦が1点リードで九回裏を迎えた。一、三塁のピンチを迎えたが、2死まで奪って、悲願の甲子園まであと1球に迫った。

しかし、勝利の女神はほほ笑まなかった。藤代・満健太の打球は左翼線近くに落ち、同点を許した。さらに2死一、二塁、3ボールからの外角高めの直球を佐藤裕太に痛打された。打球は右中間へと転がり、勝負は決まった。

あと1球まで迫りながらのサヨナラ負け。試合後、霞ケ浦・高橋祐二監督は「神様がいないな、本当に。ここまで来て勝てないのは…う〜ん。野球が分からなくなった」と呆然(ぼうぜん)。半面、藤代・菊地一郎監督は「うそみたいだ」と語った。

つくば工科・東井宏樹監督は「霞ケ浦が勝つと思っていた」と振り返った。藤代紫水・谷田川友和監督は「野球は怖いと思った」、水戸商・西川将之監督も「野球の難しさを痛感させられた」と回想。江戸川学園・島崎弘和監督は「球史に残る素晴らしい試合だった」と評した。

霞ケ浦はさらにこの後、第95回決勝で常総学院に2-4のサヨナラ負け。第96回決勝は藤代に3-12と予想外の大敗を喫した。

しかし、第97回の決勝で、「6度目の正直」を成し遂げた。相手はノーシードで勝ち上がってきた日立一だったが、先発の安高颯希がしっかりと勢いを食い止めた。初回にスクイズと適時二塁打で奪った2点を大事に守った。七回以降は後にプロ入りする綾部翔(現DeNA)がパーフェクトに抑え、長く重く閉ざされた扉をようやくこじ開けた。

試合後、高橋監督は「悔しい思いをしてきたOBたちに恩返ししたいと思っていた。ほっとしている」としみじみと語った。その表情がとても印象的だった。

決勝で敗れた経験を持つ土浦湖北・小川幸男監督は「同じ県南地区で切磋琢磨(せっさたくま)したチームが悲願を達成した」とライバルチームの栄冠をたたえた。