振り込め詐欺失敗、住宅に押し入りか 強盗致傷容疑で男再逮捕へ

 秦野市の住宅に押し入り現金を奪った上、80代の女性にけがを負わせたとして、県警が21日にも強盗致傷の疑いで、住所不定の40代の男を再逮捕する方針を固めたことが、捜査関係者への取材で分かった。この事件に関与したとして20代の男=栃木県足利市=が同罪などで起訴されていたことも判明した。

 捜査関係者によると、2人は共謀して昨年11月19日未明、秦野市の住宅に押し入り、現金約480万円を奪った上、家人の女性を殴って頭部などに軽傷を負わせた疑いが持たれている。20代の男は容疑を大筋で認めているという。

 この女性宅では、強盗被害に遭った数日前に、警察官などを名乗る男から「あなたの家族の保険証が悪用され、犯人を捕まえるために現金が必要」との趣旨の不審な電話があったという。その後、警察官を名乗る男が自宅に現れたが、女性は不審に思い、用意した現金を渡さなかったという。

 県警は、振り込め詐欺の目的を果たせなかった高齢女性宅を再度狙って、押し入ったとみて調べている。

 県警は5月までに、女性宅周辺の防犯カメラ映像の解析などから、女性への詐欺未遂容疑で2人を逮捕。調べに対し、20代の男が強盗致傷事件への関与をほのめかしたといい、裏付けを進めるとともに40代の男の関与を捜査していた。

 県警は2人以外に関与した振り込め詐欺グループがあるとみて、全容解明を進める。

神奈川県警

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