九州南部・奄美は引き続き大雨に警戒 梅雨前線南下で日本海側から徐々に天気回復

21日午前9時の雨と雲の予想.

 きのう20日(水)は本州上に停滞する梅雨前線の影響で九州や四国、本州の太平洋側で大雨となった。きょう21日(木)は梅雨前線が南下。日本海側から徐々に天気が回復して雨は止むところが多い。ただ、前線がかかる九州南部・奄美地方では、引き続き大雨や土砂災害に警戒が必要だ。

九州南部・奄美 引き続き大雨に警戒

鹿児島・奄美で予想される降水量。

 梅雨前線は22日(金)にかけて九州南部に停滞する見込み。そのためきょうも九州南部や奄美地方には活発な雨雲がかかり続ける予想だ。

<予想される雨量(あす明け方までの24時間、多い所)>
  鹿児島県(奄美地方を除く) 250ミリ
  奄美  180ミリ
※鹿児島県ではさらに22日明け方からの24時間に、多いところで200から300ミリの雨量が予想される。

21日午前5時30分現在の土壌雨量指数(土の中の水分量)。

 九州南部ではこれまでの大雨ですでに地盤が緩んでいるため、土砂災害に厳重な警戒が必要だ。また、奄美地方を含め、局地的に雷を伴い非常に激しい雨が降るおそれがある。低い土地の浸水や河川の増水・氾濫、落雷、竜巻などの激しい突風に注意が必要だ。

 発達した積乱雲の近づく兆しがある場合や、雨の降り方に異変を感じたら、建物内に避難するなどの体制を整えておきたい。

<発達した積乱雲の近づく兆し>
・黒く厚い雲が近づいてくる
・雷の音が聞こえてくる
・急に冷たい風が吹いてくる

日本海側から天気回復

各地の天気予報と予想最高気温(前日差)。

 九州南部を除いた太平洋側の雨は、朝のうちに止むところが多い。東日本・西日本は前線の南下とともに、日本海側から徐々に天気が回復して晴れ間が広がる予想。
 ただ、太平洋側の各地で雲の切れ目から太陽がのぞくのは夕方以降になる見込み。本格的に日差しが戻ってくるのは、あす22日(金)になりそうだ。

 一方、北日本は前線とは別の低気圧によって雲が広がる予想で、北海道では所々で雨となる見込み。一日を通して雨が降ったり止んだりで、傘の手放せない一日となりそうだ。

全国的に気温が上がり蒸し暑く

27日までの週間天気予報と予想最高気温。

 雨の残る九州南部を除いて、全国的にきのうよりも気温が上がる所が多い。日中の気温ははおおむね平年並みの予想だが、湿度が高いため蒸し暑く感じられるだろう。

 仙台ではきのうより8℃高い27℃、大阪は26℃の予想。大阪はあすの日中もさらに気温が上がる見込みで、復旧作業などに従事される方は、こまめに水分や休憩を取って無理のない範囲での活動をお願いしたい。(気象予報士・野口琢矢)

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