モリタ環境テック、雑品スクラップ向け竪型破砕機を開発 処理物の粒度調整が容易に

 スクラップ処理設備メーカー、モリタ環境テック(社長・中野中経氏)はこのほど、雑品スクラップや小型家電向けの竪型破砕機「バリクラッシャー」と、シュレッダー内での爆発を抑制する装置「ハイパーガード」を開発したと発表した。今期から販売を開始する計画。

 「バリクラッシャー」は給湯器や小型モーター、小型トランスなど小型の雑品スクラップ、パソコンやプリンタ、炊飯器、電子レンジなどの小型家電を粉砕し、スクラップから鉄や銅、アルミ、プラスチックなどの資源回収を目的に開発された。

 投入口のサイズは全幅800ミリ×全高1300ミリ。処理能力は1時間当たり1トン。ロータ回転数は分速410回転と高速で、チョークリングの形状を改良し、処理物の粒度調整が容易としている。電動機は75kW。インバータによる破砕ロータの回転制御により、処理物に合わせた破砕が可能なほか、破砕機本体と電動機をユニット化したことにより省スペースで設置できる。

 ハイパーガードは、シュレッダー内に紛れ込んだ可燃性ガスのボンベをはじめ、油類、塗料類、金属粉による爆発に至る微小圧力を瞬時に検知する機構と、独自の消火薬剤高速放射機構を兼ね備えたこれまでにない爆発抑制装置。シュレッダー内部と集じん装置、集じんダクトの被害を低減できる。従来の爆発抑制装置では使用後に専門の工場で行う必要があった消化薬剤の詰め替えを、設置現場で実施できるほか、容器弁の繰り返し使用も可能となった。これによりシュレッダーの操業停止期間を大幅に短縮でき、ランニングコストを低減できるとしている。同設備は他社製のシュレッダーにも取り付けが可能。外径寸法は全幅460ミリ×奥行470ミリ×全高1070ミリ。

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