【JFE条鋼の第6次中期経営計画、鹿島・東部製造所の取り組み】〈中村宗二所長に聞く〉鹿島、形鋼の生産最適化、東日本拠点の利生かす 東部、フレックスバーの能力増強

――第6次中期経営計画に関する鹿島、東部製造所の取り組みは。

 「両所とも関東の拠点であり、それぞれの特徴を生かすことで計画を遂行していく。まず、東部はD10~16の細物の鉄筋棒鋼を製造しているが、おかげさまで独自商品『フレックスバー』が好評。現在のフレックスバーの生産能力は月2千トン。さらに能力を上げ、販売増につなげていきたい」

 「鹿島は当社にとってだけでなく、親会社のJFEスチールを含めても東日本で唯一の形鋼生産拠点。東日本で形鋼を製造できる有利さを生かして、形鋼の最適生産体制を構築したい。鹿島と姫路の間で、コストメリットを追及しミルバランスの見直しを進め、収益を最大化していく」

JFE条鋼・鹿島製造所・東部製造所・中村所長

――東部の現状とフレックスバー増強に関する具体的な計画は。

 「東部の17年度生産量は製品出荷ベースで23万トン。鉄筋需要は中期的に減少傾向にあるが、東部のフレックスバーは加工性が優れておりお客様から高く評価いただいているため、生産販売を拡大していきたい。フレックスバーの生産能力は、すでに月2千トンであるが、1・5倍の供給ができる体制を整えたい」

――鹿島の現状と形鋼強化の取り組みは。

 「鹿島の17年度生産量は約24万トンだった。ビレット輸出の影響により粗鋼生産はこれにプラスαとなった。鹿島で生産可能な中形サイズの形鋼は、生産体制を最適化させることでミルバランスを最適化することが6次中計のテーマである」

――新市場を開拓するブルーオーシャン戦略については。

 「鹿島では使用済み乾電池のリサイクル処理がブルーオーシャン戦略だ。今年3月から始め、4~5月と入荷は順調。ただ、他社も積極的に取り組んでいるため競合は激しい。今年度の目標は達成できそうだ。6次中計では徐々に増やしていきたい」

――安全活動に関しては。

 「残念ながら当社では昨年、豊平製造所で重大災害が起きた。6次中計とは別の取り組みだが、その反省を踏まえて今年の全社重点活動として『100万分の1重大災害リスク撲滅』を掲げている。従来は重大災害の発生を想定していないリスクを再度掘り起こし、安全対策を講じる取り組みを進めている。また、歩行者と車輌の動線を分ける〝歩車分離〟を全社的に進めている」

――従業員の愛着度向上に関しては。

 「当社に対する従業員の愛着度を高めることも6次中計の取り組みの一つ。鹿島と東部では環境に違いがあり、従業員の考え方にも違いがある。愛着度を上げるには何が必要か、それぞれの製造所に合った方法を見出していく」 (小堀 智矢)

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