新日鉄住金の棒線事業ブランド、ユーザーと共同で情報発信 第一弾は「シモンズベッド」と

 新日鉄住金の棒線事業ブランド「SteeLinC」(スティーリンク)の展開で、新たな動きが加わった。

従来はサプライヤー側の情報発信に限られていたが、エンドユーザーが自社製品のアピールに「スティーリンク」ブランドを活用する動きが始まっている。

 第一弾は「シモンズベッド」。シモンズの富士小山工場(静岡県)では、マットレスの中核部材であるポケットコイル全量に、新日鉄住金・君津製鉄所の線材を日鉄住金SGワイヤ・習志野工場で加工したベッドスプリング用特殊鋼線を使用している。ポケットコイルはマットレスの機能や耐久性を左右し、特殊鋼線の品質安定性は重要な意味を持つ。

 シモンズのショールームや販売店舗に掲示されているポスターには「鉄鉱石からマットレスまでつながっているから高品質・安心」と大書され、「素材×工法」一体のスティーリンクがユーザー製品の高い信頼性を支えている様子を示している。

 スティーリンクは新日鉄住金とパートナーである棒線加工メーカーの事業ブランド戦略。製造実力(基本品質・現場力)、高機能・ハイエンド商品力、加工工程を含めた技術開発力や充実したサプライチェーンを明示し、顧客のものづくりへの貢献度を高めることを目指している。

 新日鉄住金は新たなブランド展開策として「SteeLinC built―in」(スティーリンク・ビルトイン)にも着手。ユーザーが自社の高機能製品をPRする上で、新日鉄住金と加工メーカーの製品を使用している点を強調するもので、シモンズが第一弾となった。溶接金網メーカーの昭和産業が埼玉、千葉県のジョイフル本田の店舗に納めている金網製品にも「スティーリンク・ビルトイン」のプレートが掲げられている。

© 株式会社鉄鋼新聞社