「原発の是非には両論も」 ウクライナなどを訪問 井原さん、長崎市長に活動報告

 外務省非核特使としてウクライナなどを訪問した県被爆者手帳友の会の井原東洋一(とよかず)会長らが20日、長崎市役所に田上富久市長を訪ね、現地での活動を報告した。
 井原会長(82)と、被爆2世で長崎親善人形の会(瓊子の会)の大瀧知子さん(57)は4月23日から5月4日まで、ウクライナとベラルーシを訪問。チェルノブイリ原発事故の慰霊行事やベラルーシの国立医科大学図書館での学内平和集会に出席し、被爆体験や平和運動について講演するなどした。
 井原さんは、現地の人々は「原爆に対してははっきり反対しても、原発の是非に対しては両論あるようだった」と報告。大瀧さんは「チェルノブイリで被ばくした人が井原さんを見て『自分も80歳まで生きられるかな』と言っていたのが印象的」と、時折涙を浮かべながら語った。
 県被爆者手帳友の会は同日、定期総会を開催。同会にある「被爆2世・3世の会」の活動を活発化するため、常任理事として被爆2世・3世の会副代表3人を承認した。

現地での活動を報告する井原会長(右)=長崎市役所

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