「はれのひ」債権者集会、篠﨑社長が不在のまま開催

 1月26日に横浜地裁から破産開始決定を受けた、はれのひ(株)(TSR企業コード:872372723、横浜市、篠﨑洋一郎社長)の債権者集会が6月20日、横浜市内で開かれた。成人式を台無しにされた新成人や親族、取引業者など約70人が参加した。
 会場には多くのマスコミが駆けつけ、事件から半年を過ぎても関心の高さをみせつけた。1月26日の会見を最後に公の場に姿を見せていない“主役”の篠﨑社長は欠席した。債権者からは篠﨑社長の無責任な態度に憤りの声が多く聞かれた。
 負債は10億8,500万円に対し、資産は1,620万円にとどまる。滞納税金、未払い給与などの優先債権1億400万円だけでも資産を上回る。
 破産管財人の増田尚弁護士は、「店舗で保管されていた着物の返還はほぼ終わったが、会社の資産が乏しく、債権者への配当は難しい」と見通しを語った。来年以降のレンタル契約者については、購入者を特定できない着物などを買い取った「装いの道(株)」(TSR企業コード:290593310、東京都千代田区)が契約者に無料で貸し出す方針という。
 被害者の一人は東京商工リサーチの取材に対し、「付属品の返却はないが、着物は戻ってきた。今さらこれ以上は望まない」とあきらめたように話した。
 篠﨑社長の負債は、銀行借入などの保証債務だけで約4億円に及ぶとされるが、個人破産は申請していない。債権者集会の前から篠﨑社長は海外に滞在しているとの情報があり、連絡もつかないことから集会への出席が注目されていた。篠崎社長が身を隠す理由は知る由もないが、このまま逃げていても被害者の心は晴れない。

多くの報道陣が詰めかけた債権者集会会場

多くの報道陣が詰めかけた債権者集会会場

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月22日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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