ツシマヤマネコの交通事故が減りますように 「ゼロ記録看板」設置

 環境省対馬野生生物保護センターは21日、絶滅が危惧される国の天然記念物ツシマヤマネコの無事故記録をカウントする「交通事故ゼロ記録看板」(縦60センチ、横90センチ)を、ヤマネコの交通事故が近年相次いでいる長崎県対馬市峰町と豊玉町の各1カ所に設置した。
 同センターによると、ヤマネコの事故は統計を取り始めた1992年度以降、21日までに111件発生し、うち102件でヤマネコが死んだ。交通事故ゼロ記録看板は、2009年から市内の商業施設などに依頼して設置を始め、計9カ所になった。交通事故が発生した日を「0」とし、無事故記録が伸びるごとに数字プレートを差し替えていく。
 同日設置した2カ所のうち、ガソリンスタンド「エネオス豊玉」では、横瀬與四郎(よしろう)店長と、同センターの山本以智人・上席自然保護官が「ヤマネコの事故が減りますように」の垂れ幕が入ったくす玉を割って無事故を祈願した。
 同保護官は「今は母ネコが子ネコに授乳している時期で、母が事故死すると、子も飢えて死ぬ。ドライバーには気を付けて運転してもらいたい」と話した。

無事故を祈った看板を示す横瀬店長=長崎県対馬市、エネオス豊玉

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