DM不正で飲食接待 神奈川県警、郵便局課長ら逮捕

 ダイレクトメール(DM)の発送料金を不正に安くした見返りに、業者から接待を受けたとして、神奈川、茨城両県警の合同捜査本部は21日、日本郵便株式会社法違反(加重収賄)の疑いで、茨城県の土浦郵便局元課長(61)=同県土浦市=と、同郵便局課長(46)=同県龍ケ崎市=の両容疑者を逮捕した。

 また、同法の贈賄容疑で東京都中央区のDM発送代行会社「ティーティーオー」の元役員、42歳の男=東京都新宿区=と同、69歳の男=川崎市高津区久本=ら5人も逮捕した。

 逮捕容疑は、代行会社がDMを郵便局に持ち込んだ際、数量が過少申告されたり、規格外で料金が高いDMが入っていたりするのを知りながら是認した見返りに、2016年1~9月ごろまでの間、土浦郵便局元課長は約70万円相当、同郵便局課長は約40万円相当の飲食、旅行などの接待を受けた、としている。

 捜査本部は全員の認否を明らかにしていない。代行会社は正規料金の1割程度しか支払いをしていないとみられ、不正な割引により日本郵便の損害額は少なくとも6億円に上るという。

捜査本部は21日、東京都千代田区の日本郵便本社のほか、土浦、筑波学園の両郵便局など関係先約20カ所を家宅捜索し、帳簿や伝票などを押収した。

 この代行会社のDM発送を巡って、神奈川県警は2月に横浜市の青葉郵便局の元郵便部長や別の同社元役員らを同様の容疑で摘発=いずれも起訴され公判中。その捜査過程で、今回の不正が明らかになった。

押収物をを運び出す捜査員 =21日午後1時半ごろ、茨城県土浦市の土浦郵便局

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