ポーランド戦で日本待ち受ける難敵ブヨ 意外な液体で対抗

By 太田清

 

ボルゴグラードで建設中のアリーナ。周辺には川や湿地帯がある=2017年8月撮影(共同)

 サッカーのワールドカップ(W杯)で28日に日本―ポーランド戦が行われるロシア南部ボルゴグラードのスタジアム周辺でブヨやカが大量発生、地元当局が駆除に乗り出したが、日本ではお目にかかれない意外な防虫剤が使われることになった。バニラエキスだ。ロシアのニュースサイト「レンタ・ルー」は「バニラがボルゴグラードのスタジアムを救う」と報じた。 

 インタファクス通信などによると、W杯の試合が行われているボルゴグラード・アリーナ周辺の森林地帯でブヨやカが大量に発生し、18日のイングランドとチュニジア戦を応援に来たサポーターらがあまりの多さに苦情を申し立て、地元当局は特例としてスタジアムへの防虫剤持ち込みを許可する騒ぎとなった。ブヨは両国の選手も襲い、口や耳に入ろうとするブヨを避けようと身をよじったり、持参した防虫スプレーを体中に吹き付けたりする選手の姿がテレビでもとらえられた。 

  このため、当局はバニラエキスを水で薄めた防虫剤散布を決定。バニラエキスは一般的な防虫剤と比べ、環境に優しく人体や動物に影響を及ぼさない利点があり、欧州では一般的に使われているという。スタジアムで試合が行われる日の2日前の深夜と早朝に周辺で散布する予定。 

 ボルゴグラードは広大な湿地や川が近くにあり初夏のこの時期には例年、ブヨやカの大量発生が問題となっている。W杯開催前にも航空機を使った大規模な駆除作業が行われたが効果は限られたものだったようだ。 (共同通信=太田清)

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