認知症見守りGPS装置貸与 直近2年間 わずか5件 諫早市議会一般質問

 諫早市の認知症高齢者見守り事業で、衛星利用測位システム(GPS)を搭載した携帯型発信装置の貸与件数は直近2年間で5件と低迷していることが21日、分かった。市議会一般質問で、湯田清美議員(公明)に石橋直子健康福祉部長が答えた。
 GPS搭載装置の貸与制度は2003年度、徘徊(はいかい)行動のある認知症高齢者の居場所を早期に発見し、事故防止を図る目的で開始。希望世帯に装置(2種類)を有料で貸与している。
 石橋部長は貸与が17年度4件、本年度1件にとどまっている状況を報告。「家族が希望しないケースや施設などへの入所で取りやめるケースもあるが、必要とする人がいる。関係者に周知を続ける」と説明した。
 湯田議員は「貸与を推進するために一人一人の状況把握とサポート体制、貸与を勧める時期をマッチさせるべきだ」と注文。貸与制度を要介護者への給付サービスに含める必要性を指摘し、「利用者が少ない現状は事業と言い難い。介護や看護の現場でより周知を徹底してほしい」と求めた。
 同部によると、記録が残る08~17年度の貸与は74件。最多は09年度の11件、最少は17年度の4件。市内の認知症有病者数は約6100人(15年度推計)。

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