山崎金属産業の18年3月期連結決算、経常益4割減の4.8億円

 山崎金属産業の18年3月期連結決算は売上高308億3200万円(前年比6・8%減)、経常利益4億7900万円(同45・0%減)、純利益6億4700万円(同約3倍)、扱い量はLNG輸送船向けアルミ厚板の減少が影響して4万6963トン(同28・3%減)だった。自動車やエレクトロニクス向けは好調だったものの、LNG輸送船需要の一服でアルミ板加工が低迷したため大幅減収となった。経常利益は販売数量の減少に加えて、前年度に保有株式の特別配当を計上した影響もあって減益。一方で、純利益は前年に福井工場の設備で約10億円の減損を実施した反動もあり一転の増加となった。

 山崎金属産業(単体)は減収減益。自動車部品や半導体関連素材の販売は好調だったものの、主力のLNG輸送船向けアルミ板の加工販売が需要急減によって「前年比で50億円の減収」(山崎洋一郎社長)となり大幅な減収となった。

 利益面は販売数量減に加えて、前年に特別配当金2億7千万円を計上していた反動で減益決算となった。山崎情報産業は減収ながら黒字転換を実現。スクラップを扱う第一金属は増収増益となったほか、埼玉伸管工業は、主力のカメラ鏡筒向けが好調に推移したため増収増益となった。

 海外拠点は、タイ子会社は半導体・コネクタ向け銅板条が好調だったほか車載向けも熱交換器材が底堅く推移した。併せて経費削減などを進めたことで黒字転換。「地金高や受取保険金の影響で黒字だった前の2回とは違い、一時的要因に起因しない黒字は初めて」(同)。上海子会社はスリット受託の仕事が増加しているものの、為替の元高の影響を受けて減益。大連子会社は鉄道モーター需要の停滞を受けて赤字継続。広州子会社は昨年11月に閉鎖した。

 今期の連結業績予想は売上高336億8700万円(同2・3%減)、経常利益4億5200万円(同5・4%減)、取扱数量6万4891トン(同4・1%減)と見込む。国内では液晶製造装置向けアルミ板販売が堅調を維持するものの、LNG輸送船向けは低迷局面が継続するため扱い数量が減少する。埼玉伸管では製造ラインの改善投資を実施するため償却負担が増えるもよう。今期から利益貢献を始める山本産業は好調な新幹線需要の取り込みを進める。

 海外ではタイ子会社は自動車熱交換器材やコネクタ・リードフレーム向け銅板条販売が好調を継続する見込みで2期連続の黒字を見込む。上海子会社も銅板条販売が増加するほか、自動車部品も華南地区で伸びると予想した。一方で大連子会社は鉄道部品向けの販売が遅れているため減収減益予想。鉄道車両以外の強化を進める。

© 株式会社鉄鋼新聞社