モナコ、カナダGPで期待を下回ったメルセデスF1が現状に危機感。「すべての週末を全力で戦う」とウォルフ

 メルセデスF1チームのトップであるトト・ウォルフは、チームにはモナコGPやカナダGPのような期待はずれのレースをする余裕は、これ以上ないと述べている。

 モナコはメルセデスにとって以前から相性の悪いコースだったが、チームがモントリオールで苦戦したことはまさに驚きだった。ルイス・ハミルトンは直近3回のカナダGPで優勝した経験を持つにもかかわらず、今回は5位まで順位を落としている。

「カナダGPの週末は我々の期待に沿うものではなかった。過去にモントリオールは、我々が優勝を目指して戦えるコースだった。だが今年は土曜も日曜もパフォーマンスに欠けていた」とウォルフは述べている。

「この週末を分析し、なぜもっとパフォーマンスを発揮できなかったのかについては理解したが、ポイントを取り損ねたという事実を変えることはできない」

 ハミルトンはドライバーズ選手権での首位の座を1ポイントの差で失った。しかしバルテリ・ボッタスがカナダGPで2位を獲得したおかげで、メルセデスは今もコンストラクターズ選手権トップの座を維持している。

 しかし勝利宣言をするにはあまりにも接戦であり、2018年の残り14戦でメルセデスがこれ以上失態を演じた場合、タイトル防衛のチャンスを失う可能性があることを、ウォルフは強く感じている。

「今シーズンの戦いは激しい。我々はレースに勝つために毎週末パフォーマンスをフルに発揮し、チャンピオンシップを賭けて戦わねばならない」とウォルフは語る。

「過去にこのチームは、障害を克服する能力があることを証明してきた。今回も同じようにも克服するために、懸命に取り組んでいるところだ」

「我々は今年エキサイティングな挑戦に直面しているが、全力を尽くす」

 まずはフランスGPだ。フランスGPは10年以上にわたって開催されておらず、ポール・リカールでのレースは1990年以来のこととなる。つまり各チームは何が有効で何がそうでないかについて、手がかりをほとんど持っていないということだ。

「フランスGPは興味深いレースになるはずだ。過去のデータが少しか、もしくはまったくないコースでレースをすることはほとんどないからね」

「週末に向けた準備が普段よりも少々厄介になる。だが未知の要素は挑戦につながる」

 フランスGPは、3週連続のレースの始まりでもある。つまり、もしチームが何か問題を見つけたとしても、翌週に控えているレースの前に対処できるチャンスがほとんどないということだ。

 どのトップチームも、間違いを犯したら高い代償を払うことになるだろう。だがそれは同時に、準備が整っているチームにとっては好機となることを示している。

「フランスGPはトリプルヘッダーの最初のレースだ。すべてのF1チームが限界を試されることになる」とウォルフは同意した。

「だが、3週の間に多くのポイントを獲得できるチャンスでもある。それはまさに我々がやろうとしていることだ」

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