三浦半島地域防災懇が最終回 防衛大名誉教授、感謝状に決意新た

 防衛大名誉教授の佐藤紘志さん(76)=横須賀市在住=が2012年から主宰する市民研究会「三浦半島地域防災懇話会」が21日、最終回を迎えた。計30回で約2千人が聴講。市から感謝状を贈られた佐藤さんは「今後も地域に尽くしたい」と決意を述べた。

 佐藤さんは、災害発生時に迅速に初動対応できる「応災力」を地域でも向上する必要があると提唱。三浦半島の自治体や横浜市などが防災計画を策定する際、アドバイザーも務めてきた。

 懇話会を主宰する以前の5年間にも、同じく30回にわたって「防災フォーラム」を開催。こうした活動が「市民生活に大きく貢献した」と評価された。

 感謝状は、市の危機管理課長や市民安全部長時代に佐藤さんから助言を受けたという小貫和昭市長室長が手渡した。佐藤さんは「期限を区切って結果を出すことが大切。地域にさまざまな(防災の)芽が出てきたので、今後は育成するお手伝いをしたい」と抱負を述べた。具体的には、県と4市1町で組織される「三浦半島地区広域防災対策推進連絡協議会」などの活動に、地域の一員として参加するという。

 懇話会は、三浦半島の建築技術者有志が集う「ミーズ設計連合協同組合」(古谷雄一理事長)を運営母体に12年にスタート。野村証券横須賀支店が支店ホール(同市大滝町)を提供。最終回は、火箱芳文・元陸上幕僚長らが東日本大震災復興支援などについて講演し、約100人が参加した。

小貫市長室長(右)から感謝状を受け取る佐藤さん(左)=横須賀市大滝町

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