世界遺産委 25日開幕 潜伏キリシタン遺産登録へ

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第42回世界遺産委員会が日本時間の25日未明(現地時間24日夜)に中東・バーレーンの首都マナマで開幕する。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本の12資産)は、ユネスコの諮問機関が5月に出した勧告通り、世界文化遺産に登録される見通しだ。決定は30日が有力となっている。
 登録が決まれば、「端島炭坑」(軍艦島)など長崎市内の8施設を含む「明治日本の産業革命遺産」(8県の23施設、2015年登録)に次ぎ、県内2件目の世界遺産となる。
 県などによると、新規登録の審査は6月29日~7月2日の4日間。文化遺産、複合遺産、自然遺産の順に実施される。潜伏キリシタン遺産は全体で9番目の予定で、日本時間の30日午後4時~7時(現地時間午前10時~午後1時)に審査される可能性が高い。ただ、審査の進行具合によって、日本時間の29日深夜や、30日午後9時~1日午前0時(現地時間午後3時~6時)になる可能性もある。
 自然遺産登録を目指した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(沖縄、鹿児島)は、諮問機関が「登録延期」を勧告したため、今月初めに政府が推薦を取り下げた。
 新規登録に先立ち、27、28日には、登録済み遺産の保全状況を審査する。ユネスコは産業革命遺産について、軍艦島の長期的な保存や、戦時徴用のため構成資産で働かされた朝鮮半島出身者を巡る問題などで、来年12月までに詳細な報告を求める方針。長崎市は「委員会で決議された内容をみて国と協議しながら対応を検討する」としている。
 中村法道知事は28日にバーレーン入り。県内の関係自治体は、審査日に合わせて各地でパブリックビューイングを開く準備を進めている。

世界文化遺産に登録される見通しの「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の大浦天主堂=長崎市南山手町

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