【MLB】米球界を変える大谷の存在 エンゼルス傘下若手が二刀流挑戦の可能性を示唆

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

本職は一塁手のウォルシュ、投げてもMAX150キロ左腕

 右肘靭帯負傷で離脱するまで投打の二刀流で圧巻の活躍を見せたエンゼルス大谷翔平投手に刺激され、マイナーリーグに所属するプロスペクトの選手が、二刀流挑戦への意欲をかき立てていると地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」が伝えていた。エンゼルス傘下のマイナーに所属するジャレッド・ウォルシュで、“本職”は一塁手だが、実際にマイナーの試合での登板経験もあるという。

 大谷の存在が、成長株の若手に新たな可能性を開いた。ジョージア大出身、24歳のウォルシュは2015年のドラフトで39巡目に指名され、今季、主にエンゼルス傘下のシングルAインランドと2Aモービルでプレー。合わせて62試合に出場し、打率.276、18本塁打と非凡な打撃センスを見せているが、投手としても93マイル(約150キロ)を出す左腕で、実際に2チーム計4試合に登板。ただし、登板機会は大差のついた試合、または延長戦の際の緊急登板のみだ。

 しかし、ウォルシュは記事の中で「本当にワクワクすること。過去にはどちらか一つだけを選ばなけれなならないと周りでは常に言われていた。そして、一つに絞る必要がないことの良い見本がオオタニなんだ。チームがもし僕に挑戦させてくれるなら、もの凄くワクワクしてくるね」と、二刀流でプレーしてみたいという願望を明かしている。現在、そのようなプランがあるわけではないが、エンゼルスは今年のドラフト5巡目で獲得したウィリアム・イングリッシュを二刀流で育成する方針を明らかにしており、大谷の存在を考えても、ウォルシュが望めば二刀流でプレーすることは不可能ではない。

米球界に革命起こした大谷、二刀流のプロスペクト発掘がトレンドに

 大谷の出現以来、米球界全体が、投打どちらでも才能を発揮するマルチタレントの発掘に積極的になっており、2017年ドラフトでレイズから全体4位指名のブレンダン・マッケイは現在、レイズ傘下のシングルAシャーロットで投手と一塁手としてプレー。レッズから全体2位指名されたハンター・グリーンは、昨シーズンのルーキーリーグで投手、遊撃手としてプレーした。グリーンは現在、投手に専念しているが、野手としての可能性を断念してはいない。

 同紙によると、ウォルシュは「みんないつも僕に聞いてくるんだ。投げることが恋しくなっているのか、とね。もちろんだよ。間違いなくシーズンオフには両方やっていくために体を鍛える必要があるけど、もの凄く挑戦してみたいことなんだ」と、やる気満々。高校時代に肘の手術歴があり、大学時代も一時期クローザーを務めたことがあるものの、登板経験自体が多いわけではなく、投手としての能力は未知数だが、「大学では直球やカーブ、チェンジアップを投げていたんだ。メカニックの部分で少し教えてもらって取り組んでいけば、精度を上げられると思う。試してみるのも面白いかもね」と話したという。

 大谷に続いて、エンゼルスに二刀流選手が誕生するのか。ウォルシュの今後に注目が集まる。

(Full-Count編集部)

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