「迷惑要件は不要」川崎市議会でガイドライン問題点指摘

【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市が極右活動家・瀬戸弘幸氏のヘイト集会に市教育文化会館(川崎区)の使用を許可した問題で、鈴木賢二市民文化局長は22日の市議会で、市の判断はガイドラインにのっとったものだとの見解を改めて示した。共産党の片柳進氏(同区)の一般質問に答えた。

 公的施設でのヘイトスピーチを防ぐガイドラインでは、差別的言動が行われる恐れがあり、他の利用者に著しい迷惑が生じる場合に使用を不許可にできる。鈴木局長は、利用申請書や主催者側への聞き取りなどから不許可要件に該当しないと判断したと説明。迷惑要件に当たるケースについては「警察の警備でも混乱を防止できないなど特別な事情がある場合に限られる」などとガイドラインの条文を示した。

 福田紀彦市長は会場で行われたヘイト発言を今後の使用可否判断の材料にするとしているが、片柳氏は「(ハードルの高い)迷惑要件がある以上、事実上ほぼすべての場合で許可されてしまう。差別的言動に当たれば法律違反として対応するのが当然。不要な迷惑要件の在り方について検証を要望する」と求めた。

ガイドラインの問題点が指摘された川崎市議会の一般質問=22日

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