<外来リス問題>熊本・宇土半島 地域などと連携 根絶へあと一歩 

 特定外来生物クリハラリス(タイワンリス)の根絶まであと一歩に迫った地域がある。クリハラリスが一時6千匹以上まで増えた熊本県宇土半島では、行政や地域、研究者が連携して対策に取り組み、3年後には根絶が実現する見込みだ。
 同県宇城地域振興局によると、半島西部で2008年に初めてリスの姿を確認。10年には県や宇城、宇土両市、専門家らでつくる連絡協議会を設置し、捕獲者に対する報償金制度の開始や捕獲専門員の雇用など対策を本格化させた。捕獲数は10年の3112匹から徐々に減り、17年は51匹。生息域が狭まった結果で、現在の生息数は推定で100匹以下という。
 その成果について、同局林務課の担当者は「協議会の作業部会を通して現地住民の意見を聞き、各機関がリスの捕獲場所やおびき寄せる効果の高い餌などの情報交換を密にした結果ではないか」と話す。

© 株式会社長崎新聞社