神奈川県藤沢市は21日、2017年度の「ふるさと納税制度」の寄付は2214万5千円にとどまり、市税の流出が約7億3千万円に上る見込みであることを明らかにした。市は減収に歯止めをかけようと、同年度に制度を導入。一定の効果はあったものの目標には届かなかったという。
同日の市議会本会議で、武藤正人氏(公明党)の一般質問に答えた。
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると税が軽減される制度。都市部に集中する税収の分散や地域活性化が目的だが、近年は金券などの返礼品による寄付集めや、節税に利用されやすい点などが問題視されている。
市は昨年8月から同制度を導入し、税収目標額を2500万円に設定。市内のパン店の「天然酵母パンセット」や、市内に工場を構えるメルシャンの「ワインセット」などが人気を集めたが、寄付額の目標をやや下回った。
一方、市内外からの寄付受け入れ額と寄付控除額を差し引いた額は、約7億3千万円に上る見込み。15年度の約2億8千万円、16年度の約5億3千万円を上回り、本来は市に入る税収が依然として他の自治体に流れているという。
市は「返礼品は、藤沢らしさがコンセプト。オリジナル性を持たせた商品を増やしていき、市内産品をPRしていきたい」と話している。