ホンダ山本MS部長インタビュー(1):レッドブルとの提携について気になる疑問を直撃

 6月19日にホンダは「レッドブル・グループ)とレッドブル・レーシングに対して、2019年から2年間、パワーユニットを供給することについて合意した」と、発表した。

 続いて、なぜ、合意した相手が『レッドブル』だけでなく、『レッドブル・グループ』も追加されていたのかだ。

「われわれはMotoGPでもレッドブルと仕事しているし、当然トロロッソもレッドブル・グループの一員です。そういう中で、レッドブルとトロロッソに対して違いがなく、同じ条件で仕事をするには、レッドブル・グループとも契約することを選択しました」

 また今回の発表ではダブルワークス体制がとられると予想されていたが、『ワークス』という言葉は一切使用されていなかった。

「われわれもその点は議論しました。そこで明確になったことは、われわれはレッドブルとトロロッソの個々に別々の開発は行わないということでした。レギュレーションで許される範囲でレッドブル・テクノロジーに軸足を置いて、同じ仕様、同じパフォーマンスのPUを、効率よく2チームに供給するということでした。そうなると、ワークスとかセミワークスという言葉を使うのは適切ではないという結論に達しました」

 レッドブルがルノーからホンダにスイッチする大きな理由として、ワークス体制を希望しているのではないかと言われているが、レッドブル側はそのことを了承しているのだろうか。

「レッドブル側もこの件は了承しています。マルコさんは『すべて同じPUのほうがデータをたくさん収集できるからいいよね』と。トロロッソからは『いまと条件が変わらないよね』ということだけしか、言われていません。同じ仕様のPUにすれば、レッドブル・テクノロジーを通して、冷却系などのデザインもより精度が高くなると思います」

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