県教委・県学校長会調査 小中教員 96%が多忙感

1日の勤務11〜12時間 適正化と意識改革急務

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県内の公立小中学校の教員の多くが多忙感を訴えていることが、県教委と県学校長会が共同で実施した教職員の勤務時間に関するアンケート調査で分かった。1日当たりの勤務時間は平均11〜12時間に及び、長時間勤務の常態化が明らかになった。県教委は「勤務時間の適正化が急務」とし、学校閉庁日の設定など勤務環境の改善と、勤務時間の“見える化”による意識改革を柱に、教職員の働き方改革に本腰を入れる。

■全国上回る

調査は昨年10月24〜30日の1週間、県内の公立小中学校80校(各40校)の教員計240人を対象に実施した。

調査結果によると、「多忙と感じる」と答えた教員は小中学校ともに96%と高かった。前年度の調査と比べて小学校は1ポイント、中学校は5ポイントそれぞれ増えた。

平日1日当たりの平均勤務時間は小学校が11時間39分、中学校が12時間15分で、いずれも2016年度の国の全国調査(小学校11時間15分、中学校11時間32分)を大きく上回った。

内訳は、授業を除いて、成績処理・学年学級事務など(小学校2時間10分、中学校2時間30分)が小中ともに最も多く、いずれも国の調査より25分多かった。次いで、生徒指導(小学校1時間9分、中学校1時間15分)、職員会議・研修など(小学校50分、中学校1時間6分)と続いた。

また、小学校で8割以上、中学校で6割以上の教員が土日曜でも家庭に仕事を持ち帰り、自宅で校務を1時間以上行っている実態も浮き彫りになった。

一方、中学校では部活動が58分と多かった。運動部活動の休養日や活動時間の目安などを示した県教委の指針が5月末にまとまり、「働き方改革の追い風になる」(学校関係者)と期待する声も多い。

■学校閉庁日増

教職員の働き方改革の一環として、夏休みや冬休み期間中などに教職員全員が出勤しない「学校閉庁日」を設ける動きが県内で広がっている。

県教委のまとめでは、昨年度末では県内44市町村のうち8市村(18・1%)だったが、本年度から実施を予定している自治体は計35市町村(79・5%)に増えた。学校閉庁の期間は1週間程度、部活動は原則行わないとしている。

県教委も本年度から全ての県立学校で学校閉庁日を設けることを決めた。県教委は「教職員の負担軽減に向け、学校や市町村と取り組みを共有し、全県で足並みをそろえたい」とする。

そのほか、一部の市町村では学校に留守番電話を設置したり、給食費を自治体管理の公会計に移行させたりする動きもみられる。

■“見える化”

教職員の勤務時間管理を徹底するため、ICカードやバーコードなどで手軽に記録・集計できるシステムの構築も進む。昨年度までに25市町計132校(18・4%)で導入したといい、今後さらに拡大する見通しだ。「勤務時間の“見える化”で時間管理の意識付けにつながる」(県教委)ことが期待される。

県教委は本年度、学校業務の外部委託に向けた取り組みにも乗り出した。集約化で負担軽減が見込まれる業務や単純業務を洗い出した上で、小中学校10校程度をモデル校に指定し、事業を本格化させる。

また、教育関係団体やPTA、地域住民らでつくる業務改善推進協議会を昨年度立ち上げ、定期的な意見交換の場を設けたほか、組織的な改革に向けた管理職研修にも力を入れる。

県教委は「教職員の勤務環境の改善を図るとともに、『休む』という意識改革にもつなげたい」としている。

(朝倉洋)