金属行人(6月25日付)

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 ロシアW杯が開幕してから1週間余り。グループリーグ突破に向けた熱戦が繰り広げられている。その試合の趨勢とは別に、ロシア大会で注目を集めているのが、W杯で初めて導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だ▼補助審判が映像を見て主審をアシストする仕組み。スポーツの世界ではルールが絶対だが、そのルールを適用するのはあくまでも人間。間違いは少なからずあった。VARの導入によって、誤審が減ると期待されている▼同じルールでもWTO(世界貿易機関)協定には例外規定が多い。例えば、安値の輸入品によって自国産業が損害を受けた場合などに認められている反不当廉売(AD)措置▼ルールでは原則5年で撤廃しなければならないが、一定の要件を満たせば延長できるという例外規定がある。その規定が乱用され、長期にわたりAD課税が継続するケースが後を絶たない。日本製鋼材が対象となったケースでは30年以上という例もある▼政府は先週、韓国のステンレス棒鋼ADをWTOへ提訴した。このAD措置はすでに14年。延長は3度に及ぶ。しかも延長手続きのルールに違反している疑いが濃い。VARとは違い、WTOの紛争解決手続きは相当な時間がかかるが、ルール違反に対し厳正なジャッジを導き出す点では、どちらも有効な方法だ。