アルミ缶リサイクル率、17年度は微増の92・5%

 17年度のアルミ缶リサイクル率は前年度比0・1ポイント上昇の92・5%となり、過去最高の94・7%(2012年度実績)には及ばなかったものの4年連続の上昇となった。回収缶を再びアルミ缶に再利用した割合を示す「CAN TO CAN率」も4・5ポイント上昇の67・3%に改善した。アルミ缶リサイクル協会(理事長・富永泰夫ユニバーサル製缶相談役)が22日発表した。

 リサイクル率は国内で回収されたUBC(輸出向け含む)の再利用率を示しており、(1)国内再利用量(164億2千万缶)、(2)韓国などに輸出されたUBC重量に組成率(87・4%)を積算した数量(38億1千万缶)の合算値とアルミ缶消費量を基に算出している。

 17年度は消費量が219億3千万缶(同4億5千万缶減)だった一方で、再生利用量が202億2千万缶(同3億8千万缶減)と減少幅が限定的だったため、リサイクル率はほぼ前年並みの92・5%で着地した。

 「CAN TO CAN率」は4・5ポイント上昇の62・8%。リサイクル率と比較して大きな伸び率となったが、前年に10ポイント以上下落していたため反動増とみられている。

 アルミ缶のリサイクル率をめぐっては12年に過去最高の94・7%を達成していたが、UBCの海外流出拡大を受けて13年には83・7%に急落した。その後、15年から輸出通関統計でUBC輸出量の把握が可能になったことを受けて算出基準を〝国内での再生利用率〟から〝国内で回収されたUBC(輸出量含む)の再生利用率〟へ変更。それ以来、3年間連続で90%超えを達成している。

 なおアルミ缶リサイクル協会はUBCの輸出量が高止まりしていることに対して「国内消費量の2割近い6万7千トンが韓国などに輸出されていることは、国内資源循環の観点から憂慮すべき事態」と指摘している。

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