三菱マテリアル小野社長が就任会見、「信頼回復が最重要」

 三菱テリアルは22日、小野直樹社長の就任会見を開いた。小野社長はグループ内で発生した一連の品質問題について改めて謝罪した上で「社会からの信頼回復を経営上の最重要課題と位置付け、顧客に満足してもらえる一級品の製品を提供していけるよう、従業員全員で高い意識をもって取り組んでいく」と述べた。さらに「昨年度にスタートした中期経営戦略の各施策にグループ全体で取り組み、その達成に向けて不退転の決意をもって取り組む」と成長戦略を着実に遂行していく姿勢を示した。

 小野社長は冒頭、「お客様、株主をはじめ関係各位に多大なご迷惑をおかけし、心より深くお詫びを申し上げる」と陳謝し、「こうした時期に社長という重責を受けることは身の引き締まる思いだが、私に課せられた使命を全うすべく全力で取り組む」と決意を述べた。

 品質問題への対応については「お客様の協力をいただきながら安全性確認を最優先で進めてきた。引き続き再発防止とグループガバナンスの強化に迅速かつ着実に取り組んでいく」と話し、「当社の信頼回復に向けて私が先頭に立ち、グループ一丸となって取り組む」と強調した。

 会見では品質問題の最終報告書公表後に直島製錬所での銅スラグの品質問題が発覚した責任を問われ、「当社の主力事業所である直島で品質管理状況に甘さがあったこと自体は重く受け止めているが、それまでの5社とは問題の本質に違いがあると認識しており、公表のタイミングは適切だった」と説明し、「私自身、品質対策本部長としてすべての事案に向き合い、当社グループが何を改めるべきかを深く認識している。経営陣を交代するという考え方もあるかもしれないが、改善に必要なことを認識している経営陣で問題に取り組むことも企業の継続性として必要なことだと考える」と述べた。

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