「腎臓がんの可能性」共有されず 横浜市立大病院で患者死亡 

 横浜市立大病院(横浜市金沢区)で2012年、60代の男性がコンピューター断層撮影(CT)検査で「腎臓がんの可能性」と診断されたが院内で情報共有されず、検査から5年5カ月後に死亡していたことが分かった。病院が25日発表した。

 病院によると、男性は心臓の疾患で通院中の12年10月に検査を受けた。放射線科の医師が画像から「腎臓のがん細胞の除外が望まれる」との画像診断書を作成したが、検査目的とは異なる部位だったため、診断結果を主治医に直接伝えなかった。男性は今年4月、腎臓がんで亡くなった。

 また、同病院と同大付属市民総合医療センター(同市南区)で16年7月から17年6月までの間、院内で適切に情報が共有されなかった事案がこの男性を含め計11件あったことも判明した。

 同センターで17年10月、70代の男性がCT検査で「膵臓(すいぞう)がんの疑い」と診断されながら院内で情報共有されず、死亡する医療事故が発覚。同様の事案の有無を調査していた。

医療事故を謝罪する横浜市大付属2病院の関係者ら=横浜市役所

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