乗り合いタクシー 長与町で試験運行 高台の住宅地と商業施設、病院 結ぶ

 長崎県西彼長与町は25日、交通の不便な町内の2地区で乗り合いタクシーの試験運行を始めた。高齢化が進む高台の住宅地と、商業施設や病院を結ぶ。住民らの買い物や通院の利便性を図る手段となり得るか、本格運行を見据え需要や採算性などを半年間検証する。
 対象は丸田郷の中尾団地地区と、高田郷の道ノ尾、自由ケ丘団地地区。いずれもバスの進入が困難な急斜面地で道路の幅も狭い。住民の要望もあり、関係者でつくる町地域公共交通会議で試験運行の実施を協議してきた。
 運行ルートは、中尾団地地区が南田川内集落センター(丸田郷)-イオンタウン長与(北陽台1丁目)間の2・81キロで、JR長与駅や中央商店街を通る。道ノ尾、自由ケ丘団地地区は、道ノ尾温泉前(高田郷)-光晴会病院(長崎市葉山1丁目)間の2・1キロ。
 小型タクシー(4人乗り)1台が週3日、1日3往復する。運賃は1回につき大人200円、小学生以下100円。満員の場合は1台まで増便する。
 同日、道ノ尾温泉前では第1便出発に合わせ、住民約10人が集まった。通院に利用したいという83歳の女性は「団地を下るときは歩けるので、主に帰りに利用したい」と話していた。

第1便に乗り込む地域住民=長与町高田郷

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