発達障害の高校生「通級指導」拡充 神奈川、拠点校の導入検討

 障害のある高校生の多様な学びの場を確保しようと、県教育委員会は25日、発達障害などの支援が必要な生徒を対象にした「通級指導」を拡充する方針を明らかにした。現在実施している3校に加え、近隣校の生徒を受け入れる「他校通級」の実施に向けて導入校の選定や指導体制などの検討に着手する。

 通級指導は、学習障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)などがある生徒が、通常学級に在籍しながら必要に応じて別教室で支援を受ける仕組み。県教委によると、県内では小学校92校(5864人)、中学校10校(913人)、特別支援学校5校(145人)で計7千人近くの児童生徒が支援を受けているが、学びの継続性確保が課題だった。

 県教委は4月、高校での受け入れを可能とする法改正を受け、県立の保土ケ谷(横浜市保土ケ谷区)、綾瀬西(綾瀬市)、生田東(川崎市多摩区)の3校に整備。現在はこのうち2校で計4人を支援している。ただ、通級指導を必要とする生徒は導入校以外にも一定程度在籍しており、より多くの受け皿を確保する必要性が生じている。

 今後、8月をめどに3校の取り組み状況を把握し、指導の充実に向けた検証を実施。また各地域に拠点校を設けて近隣校の生徒を受け入れる「他校通級」について検討を進め、実施可能と判断した学校で受け入れていくという。

 25日の県議会本会議で、谷口和史氏(公明党)の一般質問に桐谷次郎教育長が答えた。

神奈川県庁

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