井上有一作品広く紹介 寒川総合図書館で常設展示

 晩年を寒川町で過ごし、町立小中学校で教頭や校長も務めた書家、井上有一(1916~85年)作品の常設展示が、寒川総合図書館(同町宮山)で始まった。町が所蔵するオリジナルの書を展示するほか関連書籍を並べ、「国内外で高い評価を得ている町ゆかりの文化人を、広く紹介したい」という。

 第1弾は「塔B」「夢」「放哉句 爪きった」など4作品と、展覧会ポスター4点。作品保護の観点から順次展示替えをしていく予定だ。

 地域の人や愛好家、教員時代の同僚などから寄贈され、町が所有するのは書14点と展覧会ポスターなどの資料46点。図書館・文書館の資料倉庫で保管していたが、図書館の補修工事に合わせ、グループ学習などに使う2階参考閲覧室の壁3面に展示用のレールと照明を設置。6月17日から公開している。

 閲覧室は通常は施錠されており、書の見学希望の際はカウンターに申し込む。「多くの人に見てほしいが、作品にトラブルがあっても困る。常時公開ではその兼ね合いが難しかった」と担当の教育総務課。

 公開は図書館の開館時間内(祝日を除く月曜休館)。予約不要。問い合わせは同館電話0467(75)3615。

伝統に縛られない独特の作風が魅力の井上有一作品が展示された参考閲覧室

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