2018年3月期決算「役員報酬 1億円以上開示企業」調査(6月26日17時現在)

 6月26日17時までに、2018年3月期決算の有価証券報告書が確認された上場企業は980社を数える。このうち、1億円以上の報酬を受け取った役員を開示したのは109社、人数は248人だった。
 26日までに開示された248人のうち、報酬額が前年より増えた役員は122人(構成比49.1%)。また、前年に開示がなく、2018年3月期に1億円以上の報酬を受け取った役員は78人だった。
 これまでに開示された2018年3月期の役員報酬額では、ソニーの平井一夫前社長の27億1,300万円(前年9億1,400万円)が最高で、歴代5番目。開示人数が最も多かった企業は、東京エレクトロンの10人(前年9人)。
 報酬は、業績に連動した体系に変化しつつあり、またストックオプション、株式報酬など非金銭報酬による報酬も目立ってきている。2018年3月期決算は、前年に引き続き好決算を公表している企業も多く、開示の社数・人数ともに前年を超えるペースで推移している。
【参考】2017年3月期:個別開示222社、463人。
※役員報酬1億円以上の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づき、2010年3月期決算より報酬等の総額、報酬等の種類別(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金等の区分)の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられた。

【6月26日17時現在集計】

個別報酬額 上位50人のうち、34人が報酬増額

 6月26日17時現在、有価証券報告書の提出が確認された980社のうち、役員報酬が1億円以上の個別開示は109社、248人となった。
 役員報酬の最高額は、ソニーの平井一夫前社長(現会長)で27億1,300万円(前年9億1,400万円)。2位がソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー取締役副会長の20億1,500万円(前年24億2,700万円)、3位がマルセロ・クラウレ取締役副社長COOの13億8,200万円(前年開示なし)と続く。
 報酬額が1億円以上の248人のうち、前年より報酬が増えた役員は122人(構成比49.1%)。減額は46人、同額は2人。前年は開示なく、2018年3月期に開示されたのは扶桑化学工業の赤澤良太前代表取締役社長(報酬額10億3,400万円)や、2017年12月に再上場した(株)カチタス(旧:(株)やすらぎ)の新井健資代表取締役社長(報酬額1億5,800万円)など78人。

役員報酬ランキング

個別開示人数 複数人を開示した企業が5割以上

 役員報酬が1億円以上を開示した109社(人数248人)のうち、開示人数の最多は東京エレクトロンの10人(前年9人)。以下、ソニーが9人(同10人)、三井物産が8人(同5人)、日本精工が8人(同4人)、 LIXILグループが8人(同4人)と続く。2人以上の複数人の開示は55社(構成比50.4%)だった。
 26日に有価証券報告書が確認された企業では、大東建託が熊切直美社長(報酬額2億9,300万円)ほか6人(前年4人)、京セラが谷本秀夫社長(報酬額1億3,200万円)ほか3人(前年3人)、事業承継等が追い風となった日本M&Aセンターが三宅卓社長(報酬額1億4,900万円)など2人(前年2人)が、報酬額1億円以上だった。

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