神奈川の私立高運動部でまた体罰 Jリーグ下部組織で指導経験の監督

 神奈川県伊勢原市見附島の私立向上高校のサッカー部で昨年7月、当時監督を務めていた50代の実習助手の男性が当時3年生の男子部員3人に体罰を加えていたことが26日、同校への取材で分かった。同校は男性を口頭での厳重注意でとどめていたが、保護者の反発で今年4月、けん責の懲戒処分とした上で、監督を解任した。

 同校によると、静岡県内で夏季合宿中だった昨年7月27日午後11時ごろ、消灯時間を過ぎても騒いでいた3年生7人に怒り、うち3人の腹や腰付近を計6回、足で蹴った。1人は脇腹にあざができたという。合宿終了直後、男性が校長に報告し、「不適切な指導」として厳重注意を受けた。

 今年2月、保護者数人による要望を受け、学校側は再調査を開始。3月に監督を同部の指導から外し、4月には学校を運営する学校法人「向上学園」の理事長らによる懲戒委員会がけん責とした。現在も同部の指導を離れているが、実習助手として勤務している。

 男性はサッカーJリーグ「ジェフユナイテッド市原・千葉」の下部組織で指導した経験があり、昨年4月、同校の監督に就任した。同校は1994年度の全国高校サッカー選手権に出場している。

 同校では昨年10月、ラグビー部でも当時顧問の男性教諭による体罰が発覚している。

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