最高水準の耐熱チタン合金、大同特殊鋼が開発 日本初の米航空宇宙材料規格に登録、航空機向けなど拡販

 大同特殊鋼は26日、世界最高水準の耐熱チタン合金「DAT54」を開発し、AMS規格(米国航空宇宙用材料規格)に登録されたと発表した。日本で開発された耐熱チタン合金がAMS規格に登録されたのは初めて。DAT54は航空機エンジンの高効率化・燃費改善を目的とした高温化や軽量化への対応が可能で、航空機向けを中心に幅広い分野へ拡販していく。

 耐熱チタン合金は、航空宇宙分野で高温強度が要求される航空機エンジン内のコンプレッサーディスクやブレードなどの回転部材として使用されるが、その多くは欧米中心に開発されてきた。

 AMS規格は航空宇宙分野で使用される多くの材料が登録している材料規格で、発電プラントやオイル・ガスなど他分野でも利用される。

 DAT54(AMS6952)はニアα合金で、成分組成と熱処理条件の最適化により世界最高水準の約600度に耐えるクリープ特性を持つ。

 成分組成は、チタンのほか5・8%アルミ―4・0%錫―3・5%ジルコニウム―2・8%モリブデン―0・7%ニオブ―0・35%シリコン―0・06%炭素。

 熱処理は固溶化処理と時効処理を組み合わせる。主な対象部材はジェットエンジンのコンプレッサーディスクやブレードなどの回転部材。

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