佐賀県の負担軽減巡る支出「我々から話できない」 JR九州社長 提案あれば協議

 九州新幹線長崎ルートの整備方法を巡り、佐賀県が追加の費用負担に難色を示している問題で、JR九州の青柳俊彦社長は26日、同社が支払う施設使用料(貸付料)に関し、現時点で「いくらにするという議論はできない」「(佐賀県の負担軽減のため)われわれからお金を出すという話はできない」と述べた。ただ、負担軽減策に関し、長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方法を検討している与党検討委員会や国土交通省から提案があれば協議には応じる考えを示した。同日、同社であった定例会見で語った。
 整備新幹線建設費は法に基づき、建設、施設保有主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構にJR側が払う貸付料収入を充て、残りを国が3分の2、地元自治体が3分の1ずつ負担する仕組み。長崎県は貸付料収入の活用を含め財源確保を求めている。
 青柳社長は検討委や同省から貸付料を巡る打診は「正式にはない」としながら、実務者間協議は「あっていると思う」とした。長崎ルートを全線フル規格で整備した場合のJR九州の収支改善効果について、同省が年間88億円の黒字と試算した点は「われわれは何らタッチしていない。あれで88億が決まると思っていない」とけん制した。
 また、問題解決に向け、負担の仕組みを定めた法を改正すべきかどうかについては「整備新幹線は同時並行でいくつもの路線が進行している。(長崎ルートに限って)ルールを曲げるのは難しい」との見方を示した。

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