秋月平和賞に平野さん 高校生大使発案 世代継承に功績

 核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委(朝長万左男委員長)は26日、平和運動に功績があった個人や団体に贈る今年の秋月平和賞に、高校生平和大使派遣委員会共同代表の平野伸人さん(71)=長崎市愛宕3丁目=を選んだと発表した。若い世代への平和活動の継承を評価した。同実行委が来月1日、長崎市内で開く「ながさき平和大集会」で表彰する。
 平野さんは、核廃絶を世界に訴える高校生平和大使の発案者。1998年から平和大使を国連に派遣、核廃絶の署名を届ける活動を支え続けている。また、被爆2世対策や国の支援の枠外に置かれてきた在外被爆者の問題にも携わってきた。
 市役所で記者発表した朝長委員長は、平野さんが高校生への支援活動を通じて「被爆体験の継承と核廃絶の国際世論の喚起に大きく寄与した。(若者と被爆者の)世代をつなぐ功績を残した」と受賞理由を説明した。
 同賞は長崎で被爆した医師、故秋月辰一郎さんの遺志を受け継ごうと、2008年創設。過去、長崎から被爆者運動をけん引した故谷口稜曄(すみてる)さんや故土山秀夫さんらが受賞している。
 集会は1989年から開催。30回目の今年は、朝長委員長による核兵器禁止条約についての講演や、今夏に国連を訪問する平和大使の決意表明もある。

第21代高校生平和大使を発表する平野さん=6月1日、長崎市役所

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