関節リウマチのリハビリ 発症早期から開始

 全身の関節が炎症で腫れてこわばり、悪化すると変形したままになる関節リウマチ。熊本整形外科病院(熊本市中央区)の友田邦彦・熊本リウマチセンター長は、治療法として、患者教育、リハビリテーション、薬物治療、手術を4本柱に挙げています。今回は、患者教育とリハビリについて、考え方を聞きました。(高本文明)

 -関節リウマチとは。

 「慢性に進行する多発性、破壊性の関節炎です。関節の機能が低下し、指の変形や腱の障害による特有の変形が生じ、進行すると、心臓、肺、腎臓、眼、皮膚、神経など全身に炎症が起こります。国内の患者数は60~70万人といわれます」

 「いまだに原因不明で決定的な治療法はありません。このため手足の機能を保ち、日常生活動作(ADL)を助け、生活の質(QOL)を向上させるのが、治療の目標となります。症状がほとんど消失し、病気をコントロールできている『寛解』を目指します」

 -治療の第一歩が患者教育ですね。

 「患者さんに関節リウマチに伴う炎症や疼痛[とうつう]、四肢の変形、関節の動く範囲が小さくなる拘縮などについての知識を理解していただきます。関節リウマチをやたら恐れたり、放置したりせず、きちんと専門医に管理してもらうことの重要性を理解してもらいます」

 「日常生活では、安静と運動のバランスや姿勢、歩き方、保温の重要性を説明します。また今どんな薬を飲んでいるのか、なぜ検査が必要なのか、治療に対する認識を高めてもらいます」

 -次に、リハビリの考え方はいかがでしょうか。

 「リハビリは、発症の早期から関節の保護や機能の維持・向上を意図して薬物療法と並行して行うべきであり、早期介入の必要があります。障害を負ってから機能回復を目指して開始するものではないのです。現状維持が大事です」

 「関節リウマチは、進行性の関節破壊による痛みがあります。しかし過度に安静にしていると、かえって筋力低下や拘縮、心肺機能の低下といった廃用症候群を招きかねないです。移動や着替え、姿勢を正すなどのADLが制限されてしまいます。適度な運動が炎症を悪化させることはありません」

 -専門施設では、どんなリハビリを行いますか。

 「温熱療法を主体とする物理療法や、運動療法、作業療法、四肢の変形の予防・矯正などをする装具療法、心理療法、ケースワーカーによる介護保険や身障者福祉、医療など各種制度についてのアドバイス、指導などもあります」

 -リハビリの進め方は。

 「早期、中期、晩期に応じて疼痛の鎮静、変形の予防、関節の可動域と筋力の回復、関節保護、装具の利用、残存機能や道具による機能代償などを行います」

 「関節リウマチは突然、機能障害が起こるわけではなく、徐々に進行するため、症状がひどくなってから慌てて治療することになりやすいのです。だからこそ発症の初期からADL機能を保持・改善するリハビリを始めるべきです。家庭で行うホーム・プログラムが最も重要です」  -ホーム・プログラムとは。

 「例えば、関節を保護する動作や、現存する機能を最大限に維持するために必要なリウマチ体操があります。関節の機能を補ったり、関節にかかる負担を軽減するために自助具を使うこともリハビリです。姿勢の矯正もあります」

 -関節リウマチのリハビリには特殊な面があるのですね。

 「関節リウマチは、全身病として内科的な管理を、局所の関節病変としては整形外科的な管理をしながらリハビリを進める必要があります。このため、疾患そのものを治療できるリウマチ医が管理しなければ、リハビリは困難です」

(2018年6月27日付 熊本日日新聞夕刊掲載)

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