九州北部豪雨の被害大きかった龍田陳内地区 「水害不安」いまだ8割

熊本市北区龍田陳内4丁目(中央左)付近を流れる白川では河川改修工事が進む。昨年6月には川幅を広げ、河道をショートカットする付け替え工事を終えた=20日熊本市北区龍田陳内4丁目(中央左)付近を流れる白川では河川改修工事が進む。昨年6月には川幅を広げ、河道をショートカットする付け替え工事を終えた=20日

 2012年7月の九州北部豪雨で白川が氾濫し、大きな被害を受けた熊本市北区龍田陳内4丁目の住民を対象にしたアンケートで、同地区に住み続けている世帯の約8割が、河川改修後も「水害が不安」と答えていたことが26日、分かった。

 県によると、同地区は154戸が全半壊などの被害を受け、その後、河川改修で110戸が移転を余儀なくされた。住民の防災意識の変化を調べている山口大大学院の山本晴彦教授(気象防災学)は17年11~12月、移転世帯を含む87世帯でアンケートを実施。63世帯が回答した。

 同地区に住み続けている42世帯のうち、「改修で不安がなくなったか」という問いに「不安」と答えたのは11世帯、「やや不安」が22世帯。計33世帯、78%が不安を感じていた。その理由として「川幅は広くなったが、川底は浅いまま」「家から川までの距離が近くなった」などを挙げていた。

 一方で、地域での防災の取り組みについては57%が「していない」と回答。一帯は主に1970年代に開発された住宅街で高齢者世帯が多く、「防災訓練に参加するのは負担」などの声もあったという。

 県による同地区での住民説明会は16年9月から開かれておらず、元隣保班長の松崎欣五郎さん(83)は「白川の形は大きく変わっているのに、工事がどこまで進んでいるのか分からないことも不安につながっている。緊急時の避難も課題だ」と話す。

 山本教授は「改修に伴う安心感の一方で、全国各地で想像を超える大雨も観測され、住民は不安感を持ち続けているのではないか」と分析する。

 白川中流域の河川管理を担う県は、U字状に蛇行する川に囲まれていた被災地の一部を買収し、17年6月、河道をショートカットする付け替え工事を終えた。本年度中に改修工事を完了し、毎秒1500トンの流下能力を確保するとしている。(猿渡将樹)

(2018年6月27日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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