NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 第16戦ソノマ レースレポート

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第16戦ソノマ

マーティン・トゥルーエクス・Jr.がロードコースを制し今季3勝目

 1週の休暇を経たNASCARカップ・シリーズはカリフォルニアのロードコースで開催。首位を争ったマーティン・トゥルーエクス・Jr.が最終ステージのピットギャンブルを成功させ、今季3勝目を飾りました。遠く離れたゲートウェイで行われたトラック・シリーズは、18歳のトッド・ギリランドが2位フィニッシュとなりました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第16戦 Toyota / Save Mart 350
開催日:6月24日

マーティン・トゥルーエクス・Jr.がロードコースを制し今季3勝目

 6月24日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、ソノマ・レースウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第16戦『Toyota / Save Mart 350』が開催されました。
 
 前週久しぶりの休みとなったカップ・シリーズは、年に2戦のみ行われるロードコース戦のうちの1戦目で再開。ロードコース戦は、左にしか曲がらない通常のオーバル戦とは、まったく異なる車両セッティングやドライビング、戦略が求められ、重くハイパワーなNASCAR車両がコーナー毎に接触しあう迫力あるレースが繰り広げられます。
 
 カリフォルニアワインで有名な丘陵地域に位置するソノマ・レースウェイでは、トヨタは過去4勝。うち2勝をカイル・ブッシュ、1勝をマーティン・トゥルーエクス・Jr.が挙げています。

 24日(日)午後12時14分、好天の下、1周1.99マイルのロードコースを25周、25周、60周の3ステージ合計110周(218.9マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタートしました。

 ポールポジションと僅か0.09秒差での最前列2番手からスタートを切ったトゥルーエクス・Jr.が3周目に首位を奪取する一方で、9番手スタートから一時5位まで順位を上げたカイル・ブッシュは、タイヤの摩耗に苦しみじりじりと後退。
 
 ステージ1、2の25周は燃料的には無給油で走りきれる距離ですが、タイヤの苦しくなったカイル・ブッシュの他にも、首位を快走していたトゥルーエクス・Jr.ら多くの車両が、ステージ終盤、ピットクローズとなる直前にグリーンフラッグ下でピットイン。ステージ間のコーションでピットに入らず、上位でステージ2をスタートする作戦に出ました。

 ピットインしなかったスアレツがステージ2は8位でポイントを獲得。ステージ2は、ピットインしなかったトゥルーエクス・Jr.がふたたび首位に立ち、レースをリード。

 ステージ2も終盤にトゥルーエクス・Jr.、カイル・ブッシュらがピットへ向かい、ピットインしなかったハムリンがステージ2を制することとなりました。

 ステージ3は2番手でスタートしたトゥルーエクス・Jr.が首位を追う展開に。ステージ3の60周は、ほぼ20周ずつで切る2回ピット作戦が順当と思われ、71周目にはハムリン、72周目にはカイル・ブッシュがピットイン。

 首位を追っていたトゥルーエクス・Jr.も無線でピットインの連絡が入りましたが、これに反応した首位の車両がピットへ向かった直後にトゥルーエクス・Jr.陣営はピットインを撤回。さらに9周ほど走った81周目にピットインし、ステージ3は1回のピットで走り切る作戦に出ました。

 他のライバルはすべて2回ピットの作戦を採ったため、残り20周ほどのところで2度目のピットインを行うと、トゥルーエクス・Jr.は首位復帰。この時点で2位との差は23秒。カイル・ブッシュ、ハムリンらを含む2回ピットイン組が、新しいタイヤでどこまで追い上げられるかが注目となりました。

 2回ピット組よりも10周古いタイヤで走り続けるトゥルーエクス・Jr.でしたが、ペースは落ちることなく、最終的に10秒もの大差をつけてトップチェッカー。トゥルーエクス・Jr.は2013年以来2度目のソノマ制覇で、今季3勝目を挙げました。
 
 トゥルーエクス・Jr.は昨年のワトキンス・グレンに続くロードコース2連勝。また、春のフォンタナ戦に続き、カリフォルニアでのレースを両方制することとなりました。

 カイル・ブッシュが5位、エリック・ジョーンズが2度目のソノマながら大健闘の7位。ハムリンが10位と、トヨタがタイトルスポンサーの今大会、“トヨタ カムリ”は優勝を含む、4台がトップ10フィニッシュという好結果で終えました。

 次戦第17戦は7月1日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われます。

マーティン・トゥルーエクス・Jr.

「すべてはクルーチーフのお陰です。彼が最高の判断をしてくれました。正直に言って、最後はコーションが出ないことを祈っていました。結果的にはコーションは出ず、我々もミスなく最後までレースを走り切りました。チームの全員を誇りに思いますし、彼らとともに勝ち取ったこの勝利は本当に嬉しいです」

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第10戦 Villa Lighting Delivers the Eaton 200
開催日:6月23日

18歳トッド・ギリランドが自己最高2位フィニッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第10戦「Villa Lighting Delivers the Eaton 200」が6月23日(土)に米国中部イリノイ州マディソンのゲートウェイ・モータースポーツ・パークで開催されました。
 
 この週末、エクスフィニティ・シリーズは行われれず、カップ・シリーズは遠く離れたカリフォルニア・ソノマでの開催。トヨタ勢は18歳のトッド・ギリランド、19歳のノア・グラッグソン、そして今大会がトラック・シリーズのデビューとなる19歳になったばかりのゼイン・スミス、先週のアイオワでトラック・シリーズにデビューしいきなり8位フィニッシュを果たした17歳のクリスチャン・イクス、同じく先週エクスフィニティ・シリーズで初挑戦6位という鮮烈なデビューを果たし今回トラック・シリーズにも初挑戦のライリー・ハーブストといったフレッシュな顔ぶれで今大会に臨みました。

 23日(土)午後7時44分、4列での迫力あるパレードラップを経て1.25マイルオーバルを35周、35周、90周の3ステージ合計160周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手スタートのイクス、3番手スタートのグラッグソンらが上位を争い、クラッシュの影響でイエローコーション下で終わったステージ1はグラッグソンが2位、ブレット・モフィットが6位、イクスが7位となりました。

 ステージ2は、スタート前のコーションで首位に立ったイクスが逃げ、またもコーション下で終了となる中、一度も首位の座を譲ることなくトップでフィニッシュ。17歳のイクスがデビュー2戦目にして自身初のステージウインを勝ち取りました。ギリランドが3位、グラッグソンが4位、モフィットが5位と、4台の“トヨタ タンドラ”がトップ5に入りました。
 
 ステージ3は、ピットでタイヤ2本交換としたグラッグソンが首位へ。2位へと後退したイクスは、再スタート後僅か2周で痛恨のスピン。壁にクラッシュし、惜しくもレースを終えることとなってしまいました。
 
 その後、イエローコーションが多発し、赤旗も出される荒れた展開のなか、グラッグソンがリードし、ギリランドがこれを追う展開に。しかし、コース上の異物により出されたコーションからの、残り7周でのリスタート時、グラッグソンはタイヤのパンクに見舞われ予定外のピットインで後退。
 
 レースは最後の2周“オーバータイム”で決されることとなり、ピット作業などで後退しながらも追い上げたモフィットが2位、ギリランド3位で再スタートが切られましたが、モフィットは痛恨のスピン。ギリランドがトヨタ勢最上位の2位でチェッカーを受けました。
 
 スミスが5位に入り、デビュー戦でのトップ5フィニッシュ。ハーブストもデビュー戦8位の好結果。グラッグソンは何とか追い上げ10位でフィニッシュしました。

 次戦第11戦は6月29日(金)にシカゴランド・スピードウェイで開催されます。

トッド・ギリランド

「レース前から全力を尽くそうと話していました。今日はその通りに全力で戦うことができ、誇りに思っています。あとひとつ上でフィニッシュできればさらに良かったのですが、チームワークで得た今日の結果には満足していますし、これからもチームとともに努力を続けて行きます」

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