投手陣は安定、打のキーマンも復帰後即大暴れ 5位ロッテが台風の目となる?

ロッテの有吉優樹、石川歩、マイク・ボルシンガー(左から順)【写真:荒川祐史】

交流戦はチーム防御率が12球団トップの2.40、石川&ボルシンガー&有吉の“3本柱”に

 交流戦前は借金3、首位・西武と6ゲーム差の5位だったロッテは、交流戦後の順位こそ首位と5ゲーム差の5位のままだが、32勝31敗の貯金1でリーグ戦に戻った。

 最初のカードとなったのが、本拠地ZOZOマリンスタジアムでの西武戦。ここを勝ち越して勢いに乗りたいところだったが、1勝2敗で負け越し。2カード目の楽天戦の初戦に勝利し、再び貯金生活に突入している。

 西武との3連戦は負け越したが、交流戦は11勝7敗の3位。交流戦を勝ち越した要因のひとつに、交流戦のチーム防御率が12球団トップの2.40と、結果を残した投手陣が挙げられる。

 先発陣は12球団トップの4勝、防御率は3位の1.01をマークし、日本生命賞を受賞した石川歩、6月16日の巨人戦で来日初完封勝利を挙げるなど、交流戦3勝0敗、防御率1.96のボルシンガー、交流戦前の5月23日の北海道日本ハム戦から先発に配置転換となった有吉優樹は12球団2位の防御率0.91の成績を残した。

 勝ちを計算できる石川とボルシンガーに、交流戦3試合の登板中2試合でクオリティスタート(QS、6回以上を投げて自責点3以下)をマークした有吉と、確実に試合を作ることのできる先発“3本柱”がいたことで、交流戦期間中で安定した試合運びを可能にした。

 特に火曜日は石川、水曜日は有吉が先発したことで、2人が登板した火曜日と水曜日に連敗することがなく、土曜日のボルシンガーが先発した6月2日の広島戦から有吉が先発した6日の中日戦にかけて4連勝ということもあった。そして、再びボルシンガーが先発した10日の阪神戦から13日に有吉が先発したDeNAにかけて3連勝を飾った。

救援陣は復調の兆し、打線も得点力アップ

 春先は不安定だった救援陣も復調の兆しを見せている。6月1日にシェッパーズが登録抹消されたが、開幕から走者を置いた場面で存在感を見せていた松永昂大、5月1日のソフトバンク戦から5月29日のヤクルト戦まで12試合連続無失点をマークした益田直也。交流戦9試合に登板して防御率0.00の南昌輝、田中靖洋、大谷智久らで穴を埋め、守護神・内竜也につないだ。救援陣は6月15日の巨人戦から交流戦最終戦となった19日の阪神戦にかけて9イニング連続無失点に抑える活躍も見せた。

 打線も交流戦でのチーム打率は12球団トップの.278を記録。4番・角中勝也外野手が12球団トップの打率.412を記録し、トップバッターの荻野貴司外野手が打率.360、春先は本来の打撃を披露することができなかった鈴木大地内野手が打率.338をマークした。

 その一方で、得点数は12球団中10位タイの59得点と決定打に苦しんだ。得点力に課題を残した交流戦だったが、扁桃炎で交流戦期間中に離脱した「アジャ」こと井上晴哉内野手が23日の西武戦から1軍復帰し、存在感を示した。

 復帰初戦となった試合で、いきなり値千金の逆転満塁本塁打を放てば、翌24日の試合でも2本塁打を含む4安打4打点の大暴れ。得点圏打率.339をマークする勝負強い男が戻ってきたことで、3番・中村奨吾内野手、4番・角中とともにポイントゲッターとして期待が持てる。さらに、主に6番や7番を打つことの多い鈴木が復調してきており、コツコツとつなぐ野球で得点力がアップしていきそうだ。

 現在は5位であるものの、首位・西武とのゲーム差は「5」。石川、ボルシンガーと勝ちの計算できる先発が2枚いて、チーム全体の防御率も6月は2.77と安定。打線も復調気味ということを考えれば、まだまだ上位進出する可能性は十分にある。

(Full-Count編集部)

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