がん可能性の不共有、横浜市長が謝罪 「組織検証したい」

 横浜市立大学付属病院(同市金沢区)で2012年に男性ががんの疑いがあると診断されたが院内で情報が共有されず、今年4月に死亡した問題で、林文子市長は27日の定例会見で謝罪した。

 同大付属の医療機関ではこのほか、検査結果が適切に情報共有されずに悪性腫瘍を放置された事例が、市民総合医療センター(同市南区)を含め10件あったことが判明している。

 同大の二見良之理事長から直接報告を受けたという林市長は「私自身も本当に申し訳ないという気持ちでいっぱい。今回の医療事故は本当にあってはならないこと」と患者や遺族への謝罪の言葉を述べた。その上で、「組織的、システム的に(見落としを)避ける方法があったのではないかということをしっかりと検証し、二度と起きないようにしたい」と話した。

 さらに「現場が非常に多忙だということは決して言い訳にはならない」とも述べ、今後、再発防止に取り組む大学側からの報告を受ける機会を増やしていく考えを示した。

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