「駄目で元々」冒険に出掛けよう! 中途障害者のグループ 旅行など企画、大学で講話も

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 病気や障害のため“引っ込み思案”になりがちな中途障害の人たちが集まり「みんなで一緒に冒険しよう」と旅行などのイベントを企画している。長崎県内外の35人でつくるグループ「ロリーポップ・ネットワーク」(森内浩代表)。今では、大学での講話や、県総合防災訓練への参加など、活躍の幅も徐々に広げている。
 2016年2月、JRで博多駅に着いたメンバーのお目当ては、福岡市内の大型商業施設にある全国の有名ラーメン店が並ぶフロア。車いすのメンバーのために、そっとスペースを確保したり、言葉が出てこない人の言いたいことを察し、さりげなく店員に伝えたりする。“冒険”の旅をするメンバーは皆笑顔だ。
 同ネットワーク代表の森内さんは10年前の46歳の時、脳出血で倒れ、失語症を抱えた。退院後、人との関わりが減ったと感じ、同じ病院に入院していた3人を誘い13年に会を発足。当初の名称は「失語症ネットワーク」で、メンバーも失語症の人だけだった。しかし、2年前に「他の障害者でも入りたい人のおるかもよ」と知人に指摘されたのを機に、どのような障害があっても参加できるように。今では、作業療法士や理学療法士など健常者もメンバーに加わっている。
 今年2月の1泊2日の「修学旅行やり直しツアー」では枕投げも。宗像市のホテルの一室で、大はしゃぎしながら枕をぶつけ合った。森内さんは「障害者だからできないと自ら思い込まずに、あえていろいろなことに挑戦している」。
 メンバーは、自らの経験を社会に生かす取り組みも始めた。今月26日、メンバー10人が西彼長与町の県立長崎大シーボルト校で、老年看護学を学ぶ学生8人にリハビリ中の実体験、同ネットワークの活動などについて講話した。3年生の松田麻友さん(20)は「退院した人がどう過ごしているか、聞いたことがなかった。夢や希望を無くさないことが大切だと感じた」と感想。森内さんは「今後も『駄目で元々』と、いろいろなことに挑戦したい」とほほ笑んだ。

これまでの活動を振り返り笑い合う森内さん(右から2人目)ら=長崎市内
看護を目指す学生に向けた講話=県立大シーボルト校