ロアッソ・右膝故障から復帰のDF村上 「信頼勝ち取り恩返ししたい」

16日の讃岐戦でスライディングで相手選手からボールを奪う熊本の村上巧=えがお健康スタジアム(上杉勇太)

 抜群のタイミングで繰り出す正確なロングパスに加え、相手の激しい寄せにも動じないボールキープ力-。右膝の故障のため戦列から長く遠ざかっていたDF村上巧がピッチに戻り、復活を印象づけている。23日の金沢戦では、最終ラインでの安定したボール回しで11試合ぶりの無失点に貢献するなどチームに安定感をもたらした。

 長期離脱は2回目。最初は2016年シーズン開幕前、右足小指を骨折し、完治に約半年を要した。そして昨年9月、試合中にGK畑実と交錯し右膝前十字靱帯[じんたい]を損傷。「人生で感じたことがないものすごい痛みだった。膝の感覚がなくなった」。全治6カ月と選手生命も危ぶまれるほどの重傷だったが、悲観的にはならなかったという。「2年前に復帰した経験が自信になっていた。絶対に戻ると信じていた」と振り返る。

 それから約半年間、宮本幸則トレーナーと共に約5時間ものリハビリに連日励んだ。5月末には試合に出場できるまで回復。約9カ月ぶりの実戦となった6月3日の大分戦では「とにかく新鮮な気持ちで試合に臨めた。楽しかった」とピッチに立つ喜びを改めてかみしめた。「素早い予測と的確な位置取り、プレーの落ち着きぶりはさすが」と渋谷洋樹監督からは高い評価を受けた。

 ただ、膝が完全に回復したわけではない。「全力ダッシュのスピードは落ちた。試合勘もまだまだ」。それでも対人プレーでの強さを磨こうとするなど故障前よりもパワーアップした自身の姿を描く。「新しい自分になってチームの信頼を勝ち取り、支えてくれたファンやスタッフに恩返ししたい」とあくまで前向きだ。

 チームは現在18位と低迷するが、「大けがをして、少々のことではへこたれなくなった。自分たちから積極的に仕掛けるサッカーをすれば必ずはい上がれる」。メンタルのたくましさを増した攻守のキーマンは自信たっぷりに言い切った。(樋口琢郎)

◆むらかみ・たくみ 身長176センチ、70キロ。神奈川県出身。立命大卒業後、12年にJ2愛媛入りし、16年に熊本移籍。昨年はボランチやセンターバックとして26試合に出場した。J2通算141試合(3得点)。28歳。

(2018年6月28日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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