北野氏(JFES副社長)、東工大で特別講義 日本鉄鋼協会主催

 大学生に鉄鋼業への理解を促すため日本鉄鋼協会が主催する「大学特別講義」の一環で、JFEスチールの北野嘉久副社長が26日夕、東京都目黒区の東京工業大学大岡山キャンパスで鉄鋼業の魅力について講演した。物質理工学院の学生ら約130人が聴講し、質疑応答を通じて関心を深めた。

 同大大学院で精密機械システムを専攻した北野氏は、技術者としての視点を交えながら鉄の特性や産業としての鉄鋼業を紹介。鉄鋼メーカーの競争力については粗鋼生産量だけで決まるわけではないと指摘し、粗鋼生産で世界トップのアルセロール・ミッタルと比べてJFEスチールは粗鋼生産が約5分の1なのに対し、国際特許出願の件数は5倍に上ることなどを紹介した。

 電気自動車(EV)をはじめとする車の電動化に対応した鉄鋼材料開発にJFEが注力していることも説明。車体軽量化に有効なハイテン(高張力鋼板)や電磁鋼板のほか、薄鋼板に炭素繊維強化樹脂(CFRP)の補強部材を接着した車のドアなどマルチマテリアル(複合素材)化技術も交えた技術提案で次世代車開発を後押ししていることを紹介した。

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