前人未到の記録「6m」を目指す義足ジャンパー、中西麻耶選手。
自己ベストはアジア記録でもある5m51、そして彼女が戦うT64クラスの世界記録は5m83。「6m」という記録は、義足ジャンパーにとって前人未到の領域。その領域との差「49cm」を埋めるために彼女が選んだ方法は、チームの結成。「チーム中西」のメンバーは、体の使い方を細かくみるピラティスコーチの川本紘美さん、義肢装具士の齋藤拓さん、そして、チームのメードメーカーでもある梶原進一コーチ。チームを組むことで練習に対する自分への甘さがなくなり、責任感が大きくなったという。組んで間もないチームだが、「チームという選択肢は義足の次に大事」という彼女にとって、なくてはならない存在になっている。試行錯誤を繰り返し、チームとともに前人未到の記録へ。2020年、まだ誰も到達していない場所にたどり着いた彼女はきっと、最高の笑顔を見せてくれる。
中西麻耶(なかにし・まや)
1985年6月3日生まれ 33歳 大分県出身 うちのう整形外科所属
高校時代はソフトテニスの選手としてインターハイ及び国民体育大会に出場。2006年に仕事中の事故で右足ひざ下を切断。2007年から陸上を始め、翌年の北京大会から3大会連続でパラリンピックに出場。2016年リオデジャネイロパラリンピックでは5m42の記録で4位と、メダルまであと一歩に迫った。
自己ベスト 5m51 (2016年5月1日 第27回日本パラ陸上競技選手権大会)
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