江の島セーリングW杯6海面使用 既存艇移動は島内

 9月に藤沢市の江の島で開かれるセーリング競技のワールドカップ(W杯)実行委員会は28日、コース図面案を公表した。江の島沖から横須賀市、葉山町境の長者ケ崎沖にかけての6海面を使用。レース開催に伴う既存艇の移動も江の島島内にとどめる。

 県セーリング課は同日の県議会国際文化観光・スポーツ常任委員会で「国際セーリング連盟や地元の漁業関係者との調整が済み、図を公表する運びとなったと聞いている」と報告。「今後、図をもとにレース当日の連絡手段の調整など具体的な運営方法の協議を進めていく」とした。

 レースエリアの設定を巡っては、昨年11月に五輪の組織委員会が地元の漁業関係者に長者ケ崎沖を除いた5海面を設定した仮案を提示。これを受け、漁業関係者は今年2月、組織委に要望書を提出し、陸側の3海面を沖に移すことや、航路の確保などを求めていた。

 県は漁業関係者の声を反映し長者ケ崎沖を追加するとともに、従来示されていた5海面のうち、江の島から遠い3海面について直径を1海里(約1850メートル)から1・2海里(約2200メートル)に拡大。さらに「漁船の航路や選手の導線確保のため、旗などの目印を置き、要望に応える方向で検討する」と説明した。

 また、W杯のレース開催に伴う既存艇の移動は大会前後を含め1カ月~1カ月半程度の期間を見込み、大会中も利用者が艇の出し入れができるよう調整しているという。

 今秋のW杯、来夏のテストイベント、W杯の結果を踏まえて五輪の海面を決める方針で、同課は「大会ごとに検証し、漁業関係者に丁寧な説明をしてご理解をいただきながら進めていきたい」と述べた。

レースエリア案

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